突然ですが、皆さまの医院では身だしなみに関する規定は定めていらっしゃいますか?
とある矯正歯科からこんな声が聞こえてきました
今般の物価高にもかかわらず、美容消費係数はここ数年上昇を続けており、男女問わず美容に関心がある人が増えています。
そんな時代だからこそ、やはりいろいろなオシャレを楽しみたいわけで冒頭のような衝突もあるようです。ちなみに皆さまの医院では、【ネイル・メイク・髪型・髪色・香水(ニオイ)】などに決まりはありますか?
いわゆる【服務規程】というものです。意外ときちんと決めていないからこそ、スタッフ本人や患者さまから苦情が来てしまうこともあるようです。一例とともに服務規程の考え方をご紹介させていただきますので、この機会にぜひ一度ルールを見直してみてください。各医院でのルールは、業界の慣習と院長の価値観に基づいて形成されていくことが多く、一概に何が正しいか断定することは難しいです。そのためにまず基準を作っていきたいのですが、歯科医師・衛生士・歯科助手や受付などを含む自院の全ての従業員としての「理想の姿」はどのようなものでしょうか。
自由度の高い医院では、特に何の縛りもなく「ネイル・髪色・髪型など自由で良い」と求人に記載しているところもあり、実際の求人票を見てみると働いている方に金髪や明るい茶髪の方もいらっしゃいました。一方、ルールを定めている医院では、「ネイル・髪色・髪型は医院の規定によります」と記載があり、一定の線引きはしていらっしゃるようです。では「清潔感がある」「業務に支障がでない」「職場の風紀を乱さない」など一定のテーマを決めてみるとどうでしょうか。まずは【ネイル】について考えてみましょう。
◆清潔感がある
大粒のラインストーンなどのパーツや、派手な蛍光色、黒や茶色などのダークカラーは、悪目立ちしてしまうこともあり、歯科医院には馴染まないでしょう。患者さまの口腔内に手で触れることもあるお仕事ですから、見栄えよくかつ違和感がないよう元の爪の色に近いベージュやピンクベージュなど、肌なじみの良い色を選ぶことで、患者さまは清潔感を感じていただけるでしょう。
◆業務に支障がでない
前述のとおり、口腔内に触れることもあるため長い爪やデコレーションによってグローブが破けて口腔内を傷つけてしまうこともありますし、歯肉マッサージやリップマッサージでも同様です。
また、治療器具を持つ際に落としてしまう可能性も考慮すると、爪が伸びていたとしても1mm程度と短めに整えることが重要でしょう。
◆職場の風紀を乱さない
こちらも清潔感につながることでもありますが、「派手なパーツで飾ったネイル」「濃色・蛍光色」「長すぎる爪」という状態だと、患者感情的に「こんな衛生士が担当するなんて」「安心して施術を受けられない」「この医院は常識がない」と、患者さまと信頼関係を築けずにリピートにつながらない可能性も大いにあり得ることですので、患者さまからの「見られ方」という部分に注意をしたいところです。
しかし、何の意図も伝えずにネイルを全面的に禁止することは「女性のファッションに理解がない」「時代遅れな医院だから転職しよう」とマイナスな面にしか働きませんので、上記のような理由があることを予め理解してもらい、注意喚起をし、歯科のプロであることを自覚してもらいましょう。
続いて、【髪型・髪色】についてですが、髪型や髪色は、清潔感に直結する大切なポイントです。髪がボサボサで乱れている、フケがたくさん制服に乗っている、制服は汚れていてシワだらけなスタッフ。一方、しっかり髪の毛をまとめていて制服もピシっとしたスタッフがいるとしたら、同じレベルの技術を持っていたとしても、当たり前に後者に担当していただきたいと思うでしょう。
メラビアンの法則のとおり、人の印象を決める大事な第一印象は身だしなみなどの見た目が55%を占めます。どれだけ楽しく話をしても、丁寧に施術をしたとしても、結局イマイチな印象で終わってしまいリピートにつながらないことは医院にとってマイナスです。
そのため事前に髪の長さや色、エクステや髪を結ぶルールなどをきちんと決めておくと、院長先生のストレスや無駄な労力はなくなりますので、もしまだ明確なルールがない場合には考えてみてください。
最後に、【香水(ニオイ)】についてです。昨今、スメルハラスメント(スメハラ)という言葉も生まれてきていることもあり、ニオイに敏感な方が増えてきました。香水や整髪料の香りは、人によってはキツイ・臭いと感じられる方もいますし、体調が悪くなってしまう方もいるため、香りには注意しましょう。
恐らく多くの医院では、香水は原則NGとしていると思いますので、この点においては再考の余地はないでしょう。整髪料や柔軟剤等の香りを発する物も、ニオイがきつくないものや無香タイプのものを選ぶように勧めると良いかと思います。
いかがでしたでしょうか。一見、当たり前では?と思われることもありますが、個々の意思を尊重するとどこまでOKとするかバランスが難しいと思います。
事務局ではこういったご相談も随時Talknoteにて受け付けております。
さらにプラチナムパックを導入の医院さまには、このような服務規程も事前に打ち合わせ等を行った上でご希望に沿った規程を作成することも可能ですので、ぜひ気兼ねなくお問い合わせくださいませ!