Q
感染予防のための口腔内衛生が今注目されていますが、我々が改めて言うべき事や伝え忘れている事はありますか?
A
前回からの続きとなりますが、歯ブラシの管理として、その使い方も重要です。歯ブラシの毛束の根元部分は、毛が密集している事に加えて、歯磨剤に含まれる保湿剤の影響で、非常に乾燥しにくく細菌類が繁殖しやすくなっています。1日の歯磨きを1本の歯ブラシで行う場合、しっかりと乾燥ができないまま次の歯磨きのタイミングになってしまう事がほとんどです。
歯ブラシは3本が理想
常に清潔な歯ブラシで歯磨きをしていただくために、1日3回歯磨きするのであれば、3本歯ブラシをご用意していただく事をおすすめします。朝昼夜と分ける事で、少なくとも20時間以上は乾燥させる事ができるようになります。また、この際にブラシの形(フラット/山切り/極細毛など)を全て違うものにする事で、磨き残しを減らす事も可能です。たとえ同じように歯磨きしていてもブラシの形を変える事で、物理的に当たるところが変わるためです。
ブラシの消毒のため、次亜塩素酸系漂白剤を使うという方も中にはいるかもしれませんが、それはあまりおすすめしません。歯ブラシの基本的な構造として、毛束をヘッドに固定するのに金属が使われており、ものによってそこに錆が発生してしまう可能性があるためです。歯ブラシの除菌をお考えの場合、専用の除菌剤を使用していただく事をおすすめいたします。