自費診療につなげる戦略策定『収益安定の3つの柱』 ~後編~

今月は”自費診療につなげるための戦略策定”後編です。前編ではミュゼプラチナムの軌跡を追いながら、市場拡大を目的とした『潜在ニーズの顕在化』についてご紹介いたしました。後編ではタイトルに据えた『収益の安定化』について掘り下げていきます。

企業がシェアを伸ばしていくためには、顧客や市場のニーズを的確に把握する分析力が注視されますが、それと並行して、収益の安定を図る設計図も描いていかなければなりません。消費者との接点を捉えた「❶認知段階」「❷体験来店」「❸顧客化」の3フェーズに分け、コミュニケーション方法を中心に具体例を交えてご案内します。

❶認知段階

ブランド戦略

来店してもらうためには、まずブランドやそのサービスを知ってもらわなければいけません。俗にいう消費者行動における”認知”そして”興味を喚起する”という入口に当たります。

ブランディングの根幹となるポイントについて、難しく考えず「好感を持ってもらうための取り組み」として要約してみましょう。

ブランド戦略の2つのポイント
ビジョン(将来像)
『誰に?』『何を?』『どのように?』感じてもらいたいかシンプルに整理し、伝えるべきメッセージや適切な表現を固めていきます。
広告戦略
ビジョン(将来像)を定めると、それに準じたクリエイティブ(制作物)が定まりはじめ、必要となるキャンペーンも自然と具象化されていきます。マスメディアが主流の時代では、資本力に応じた認知が通例ではありましたが、ご存じの通り現在はソーシャルメディアが全盛です。むやみに予算をかけずとも、媒体選定やターゲットを絞ることで効率的なアプローチが可能となります。

「ブランド戦略は大手企業のもの」という固定観念にしばられることなく、ブランディングへの意識を高めていただければと思います。

❷体験来店

チーム主義

来店回数によってコミュニケーションの質が変化するわけではありませんが、初回の迎え入れは店舗の印象を決める大切な場面です。意識するべきポイントは個人の評価が店舗の総評に至ることを踏まえ、「業務の標準化」に努めることです。

下記のテキストを読み上げてみてください
A 「想像していた通りの良いサービスでした」
B 「想像していたよりも良い サービスでした」

Aは期待値と同等の満足レベル、Bはその期待値を上回る感動を生むサービスレベルを表しています。ミュゼプラチナムではBのクオリティを基準に業務の標準化が課されており、それに合わせて公平性を担保する店舗単位のインセンティブ設計※や、属人化を抑止する指名制の排除を実施しています。

顧客感動満足度(CIS)の向上を掲げるには、まずスタッフのモチベーション(EIS)を整えてからというのが我々の原理原則です。医院運営でもさまざまなケースが想定されると思いますが、各自の腹落ちが前提となりますので、スタッフ間のコミュニケーションにも注力ください。

※担当制や個人インセンティブを設定しない理由…エステ業界の『売上第一主義(個人主義)』という偏った慣習から脱却するための方針。(状況次第で指名制度は有用だと認識しています)

❸顧客化

信頼関係の構築

前節でもお伝えしましたが、我々は瞬間的な売上にとらわれないよう、LTV(生涯顧客価値)という概念に寄せたビジネスモデルを敷いています。

新規集客(集患)の価値を理解しているからこそ、継続来店(顧客化)を重要目標として設定しております。『恋愛関係』になぞらえると「好きです、付き合ってください」という猪突猛進型ではなく、「あなたのことをまずは教えてもらえませんか?(私のことも知ってください)」という泰然自若のペースを大切にしています。

そこには積極的にクロスメディアを用いたザイオンス効果(接触回数が増えることによる好意醸成)※や、継続来店が前提のコース契約など、さまざまな種まきが組み込まれています。患者さまの要望を着実にこなし、信用の積み重ねを経て、理想の関係性を築いていただければと思います。

ちなみに、信頼を得るには相当の時間と実績が必要なのに、失墜するときは一瞬ですのでご注意ください。

※接触回数についてはSNSやメールの活用、またはDM送付などアナログな手法でも代用が可能です。

自費診療のマーケティングを行う際、顕在層のみか、それとも潜在的な患者層も含めるのかによって、アプローチが大きく変化します。ただ私が思うところ、サービスの本質は「何を買うのか?」ではなく「誰から買うのか?」ではないかなと感じています。もちろん価格に引っ張られることも数多くありますが、安心・信頼を担保されることで、枠組みを超えて購買に至るのだと思います。
あらためて既存患者さまの価値や信頼関係を築くためのコミュニケーションについて、再考いただければ幸いです。
>ミュゼホワイトニング パートナープログラム

ミュゼホワイトニング パートナープログラム

『ミュゼプラチナム』が歯科医院を全面サポート!
美容脱毛サロンで培った接遇技術を柱に、サービスという概念を掘り下げた〈顧客満足度×従業員満足度〉の指針をインプット。
美容と健康というテーマから〈マーケティング・ブランディング〉を広げ、 歯科医院を「予防のために通うべき場所」へと変革します。

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