過去2回にわたり、無料で使えるGoogleマイビジネス(以下GMB)の特性・有用性についてご紹介させていただきました。皆さま、その後GMBの「クチコミ」はきちんと確認されていますでしょうか? 返信をされていないレビューがいくつか見受けられますが、クチコミのネガティブな効果を侮っていませんか?
今回はこの“クチコミ”の概念と影響力について整理していきたいと思います。また、低評価レビューの危険性を踏まえつつ、体系的に落とし込んだ“返信のコツ”をご紹介させていただきますので、最後までお付き合いください。
“クチコミ”の歴史と現状
クチコミは、“マスコミ(大衆媒体)”との対比として“口頭のコミュニケーション”が語源ですが、現在では“ユーザーの感想・評価・評判”という意味合いで使われています。インターネットの普及により、不特定多数の人の目に留まる“媒体としての価値”が創造されていきました。
また、若い世代では、好意的なレビューを自身のSNS上で発信する流れも常態化しています。企業はこれをUGC(ユーザー生成コンテンツ)として、マーケティングにも大いに活用しています。
「オンライン上での購買行動において、7割強の方がクチコミを参照している」というデータ※があります。『直接言われるよりも、第三者から間接的に言われたほうが信憑性・信頼性が増す』というウィンザー効果(行動心理学)を体現した結果です。何かの購入を検討する際に「一旦評価を確認する」というプロセスは、私たちの生活に深く根付いています。
“低評価レビュー”の危険性
商品のレビューが著しく悪い場合、過半数の方が購入を見合わせる傾向があります。『悪い評価は(良い評価の)2倍以上の影響力がある(グッドマンの第二法則)』とされており、数件の悪評がネガティブな方向に強く引っ張っていくのです。クチコミ自体は“主観の集まり”でしかなく、厳密には整合性のとれていない意見も多々見受けられますが、『購買者意見=立ち位置が同じ=信頼できる』という図式に至るのは、情報が溢れている現代社会において必然なのかもしれません。
良好な関係構築のために欠かせない“クチコミへの返信”
クチコミは、”来院動機を明確化する重要なコンテンツ”です。その意識を持って、適切な内容・タイミングで返信することで、投稿ユーザーはもちろん、来院を検討されている潜在患者さまに対しても、好意的なイメージの醸成や定着につながり、かつ理不尽な投稿に対して公平性(これ、医院は悪くないよね?)を促すことも可能となります。 PR効果を最大化させるためにも、クチコミの放置は絶対にNGであることを胸に留めていただければと思います。
GMBのすべてのクチコミへ、お礼を兼ねた返信をすることが前提となります。事前に備えておけば、どのような評価が入っても一様に対応することができます。タイムリーに対応するために、 自院の型「返信フレーム」を作成しておきましょう。
実際に返信フレームを作り込んでいきましょう!
STEP1 自院の強みをまとめる
検討中のユーザーへ提供すべき3つの情報領域を整理し、文章にします。
❶情報の知見 歯科リテラシーが低い患者さまを想定した説明に徹すること | ❷印象の改善 不安を払拭するため、安心感を醸成する表現に努めること | ❸行動の喚起 共感性が生まれるよう、選択メリットや期待感を演出すること |
●分かりやすい内容 ●専門用語の補足 | ●雰囲気 ●人柄 ●言葉遣い ●考え | ●効果 ●技術 ●体制 ●設備 ●アフターフォロー |
STEP2 評価別の構成案
実際のクチコミを高評価と低評価に分類して、文章構成のパターン分けをします。
高評価:お褒めをいただいている場合 | 低評価:クレーム・マイナスの評価をいただいている場合 |
①投稿に対しての感謝 ②PRを兼ねて、評価いただいた点を掘り下げて説明(自院の強みであることを強調) ③次回来院につながる案内文を含めて、感謝で締める | ①投稿に対しての感謝 ②事象と不満への謝罪(事由の整理) 機能的…至らなかった部分を端的に説明 情緒的…配慮が足りなかった部分の謝罪 ③改善に努める意向を補足し、感謝で締める(院長名を記載) |
厳しい意見はつい感情的に捉えがちですが、フラットにみると“医院の課題”に気付くきっかけにもなります。 ただ、身に覚えのない嫌がらせのような投稿に対しては、冷静に精査し、場合によっては粛々とGoogleへ削除申請(通報)することも一つの手段です。
運用を続けていく中で、様々な疑問点が浮かんでくると思います。その際は遠慮なく我々にご相談ください。10月にはGMBをより活用する『MEO対策セミナー』を実施する予定です。直営医院での運用データも含めてご案内させていただきます。時期が明確になり次第、改めてご連絡差し上げますので、ご興味がある方はぜひご参加ください。