労務トラブルに発展!? 歯科医院にも適用されるルール

無視できないコンプライアンス

まだまだ寒さが厳しい時期が続きますが、年を越すと、あっという間に4月を迎え新しい社員が入社してくる時期となります。社会経験のない方々にとっては、社会人としての理想と現実のギャップを感じる機会も多く、それが原因で労務トラブルに発展することも少なからずあるようです。このようなトラブルを回避するために、改めて医院の労務上のコンプライアンスについても確認していただければ幸いです。
本記事では、「当たり前のようで意外と知らない」歯科医院にも適用されることが多いルール(法律)をいくつかご紹介させていただきます。

労働時間、賃金

現在の歯科医院業界の現状として、夜間診療はもちろんのこと、深夜まで開業している医院や土日診療を行っている医院、年中無休の医院など開業時間の多様化が進んでいます。

それに伴い、ドクターやスタッフの雇用形態も大きく変わってきています。例えば、シフト制による遅番・早番、交代での週休2日制、隔週での4週6休制、パートのみで交代制を採用している医院、変形労働制を利用して勤務時間を調整している医院などが増加してきています。しかし、注意すべき法律を十分に理解していないままシフトを組んだことで、労務上の問題が発生しているケースも多くなってきているようです。

まず、法定労働時間を超えて従業員が勤務した場合、通常の賃金を割増した「割増賃金」を支払わなければならないということは皆さまご存じのことと思います。しかしながら、毎年残業代の未払いや割増賃金が適用されていなかったことで処分を受けたり、裁判沙汰になるケースも後を絶たないことから、意外とこの辺りも徹底されているとは言えないのかもしれません。

法定割増賃金率とは?

従業員が法定労働時間を超えて働いた時間外労働に対して、企業は通常の賃金より割増した金額を支払います。この際、割増率は働いた時間数の合計や、休日・深夜労働等によって変動します。これを、法定割増賃金率といいます。

1カ月に70時間の時間外労働が発生した場合、60時間分の時間外労働に関しては割増賃金率25%以上、60時間を超えた残りの10時間分に関しては割増賃金率50%以上が適用されます。<資料>東京労働局

現在は、1カ月に60時間を超える時間外労働には、大企業は50%、中小企業は25%の割増賃金率が課せられていますが、2023年4月以降は、猶予措置終了により歯科医院等も含めた中小企業の割増賃金率も大企業と同様の50%に引き上げられることになっています。4月からはこの点にも注意して割増賃金の計算を行うように気をつけたいところですが、時間外労働の割増率にも、法定労働時間が1日8時間週40時間を超える場合には25%、時間外労働が1カ月に45時間を超える場合には25%など、従業員の法定労働時間数によっても割増賃金率が変わってきますので、この点も注意しておきましょう。

また、2019年4月施行の働き方改革の一環で、労働基準法が改正され、これまでは実質的に上限値がなかった時間外労働に対して、限度時間が明記されるようになり、違反時の罰則も定められました。

その上限値は、原則「月45時間・年360時間」となっており、特別な事情がない限り、これを超えることはできません。これ以上の時間外労働・休日労働をさせるためには、「時間外労働・休日労働に関する協定」いわゆるサブロク(36)協定を締結し労働基準監督署長に届ける必要があります。

なお、特別条項により36協定で労使が合意した場合でも、法定労働時間を超えた勤務時間に対しては、企業は割増賃金を支払う必要がありますので、ご注意ください。

我々ミュゼホワイトニングは、すべてのスタッフが安心して労働できる環境を構築していくことが、医院の発展へとつながっていくと考えております。労働関係の法律は改正も多く、医院ごとに注意点や対応策はすべて違うものだと考えておりますので、何かお困りのことがございましたらお気軽にトークノート等でご連絡をいただければと思います。

次回は、「休暇」についてお伝えします。お楽しみに!

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