自費診療につなげる戦略策定『収益安定の3つの柱』〜前編〜

我々が考える戦略の中心には”お客さまとの長期的なコミュニケーション”が据えられています。 お客さまが「何を考え、何に悩み、どうしたいのか?」短絡的にニーズを捉えるのではなく、 俯瞰的に見た上で仮説検証を繰り返していく、それが事業存続・発展のキーポイントだと考えています。

今回はミュゼがいかにして事業を発展させてきたのか?軌跡を追いながら戦略策定のポイントを前編後編の2回に分けてお届けします。 歯科業界との類似性も多く見られますので、運営のお役にたてる情報提供ができればうれしく思います。

エステ業界の変革

ここ20年で脱毛サロンに対しての認識がパブリックに寄ったなと強く感じています。 電車広告やTVCMが最たる例ではありますが、動向調査によると『脱毛部位によるサロンの通い分け』は特段めずらしくないようです。 『出店区画はなるべく、施設エントランスから離れたところで・・・』と交渉時に説明していた店舗開発時代が懐かしくなります。

市場規模も我々が参入した2000年初頭から瞬く間に拡大し、今では2,000億円を超えるともいわれています(引用元 矢野経済研究所)。 エステ業界全体の市場規模が3,600億円とされる中、脱毛のニーズがいかに高まったのかご理解いただけるかと思います。 ただニーズに関して高まったというよりは、元々抱いていた感情が「顕在化した」というのが正しい表現だと感じています。 皆さまもご存じの通り、ニーズ(需要・欲求)という概念は、自覚している顕在的なものと、本人も気づいていない深層的な潜在ニーズに区分されます。

本来女性が「キレイになりたい」という美への欲求は、年齢を問わず恒久的なものであり、誰しもが望む願望です。 エステとはそれを叶える有益な手段であることを消費者の方々は認識しているはずですが、 当時のマーケットを見る限り、一部の層にしか利用されていない状況が続いていました。 その背景にはエステ業界特有の高級志向(高額サービス)に寄ったメディア戦略が起因しており、図らずも閉鎖的な傾向が強く見られました。 また「押し売り」が一部の店舗で常態化していたため、“エステ=怖い”というネガティブイメージが浸透し、門戸を狭めていたのも周知の事実となります。

潜在ニーズへの重点アプローチ

我々は市場分析を経て、マーケットの飽和はまだまだ先であると仮説を立てました。 アプローチについても固定観念に囚われず、業界に対してアンチテーゼを唱えるかのように、 「エステ(脱毛)ってもっと身近なものですよね」とニーズの顕在化を促進したのです。

主だった取り組みは2つあり、来店動機を妨げる『不安』に対し、消費者目線での『誠実』なサービスデザインに振り切ったこと、 そしてサービスを提供する従業員の存在を人財と捉え、雇用形態を全て正社員に切り替えたことです。

収益をあげる座組み

業界を牽引するに至ったもう一つの要因として、我々のビジネススキームが刈り取り型ではなく、 長期的にお客さまとお付き合いしていくストック型に寄った収益構造を敷いていた点です。 個人的には熟年カップル型と呼んでおりますが、つかずはなれずでありながら、互いのことを理解した関係性を理想としています。

「瞬間的な売上をあげる」ことに優位性をおかず、「顧客数を増やす」という戦略に重きをおいてきました。 間口を広げるため、安価で魅力的なキャンペーンをリリースし、まずは体験していただくことを最初のゴールに設定しています。 そうなると提案に対してもバリエーションが増え、お客さまの満足度も自然と高まります。

結果、従業員の自信にもつながり、好循環な関係性を構築することができたのです。 400万人の会員母体に至った大きなポイントがここにあります。 (女性専門のフィットネス カーブスジャパンでも2,000店舗で100万人弱の会員数) 2010年から続く美容脱毛売上No.1という実績は、まさにこういった戦略の上に成り立っています。

まとめ

今回は大枠での戦略策定についての内容となりましたが、次回は来店された後、 どのようにお客さまとの関係性を高めていくのか(追加契約をあげていくのか)、具体例を紹介していきたいと思います。 個人に限らず事業の軌跡を見直すことで、あらたな気づきが意外にあるものですね! 皆さまも自院の成り立ちやこれまでの経緯について、振り返る時間を一度設けてみてはいかがでしょうか?

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