先行きが見えない状況は変わらず続いており、我々事務局としても、より強い意志をもってサポートに徹する必要があると考えています。
今回はより実益に結びつく「自費診療の推進」についてクローズアップしたいと思います。「マインド醸成」をメインテーマに据えて、”院内における指針作り”と”プロフェッショナルであることの意義”についてお伝えしていきます。活用しやすいように形式的にまとめていますので、振り返りの際にもお使いいただければ幸いです。
目指すべきコミュニケーションの形
まず、下記設問について考えてみてください。
自費診療についての質問(回答時間3分) |
Q1 自費診療をすすめる目的は? |
Q2 理想の月次売上、売上比率は? |
Q3 先月の自費売上、または売上比率は? |
すぐに答えが浮かびましたでしょうか? こちらは「目的(GOAL)」「目標(中間指標)」「現況(いま)」を表した設問で、普段から意識していれば、答えられる内容です。では同様の質問を、スタッフの皆さまに投げた場合を想定してみてください。院長と同質の回答はどれくらいになるでしょうか?
この問いは院内における「自費診療に対する意識」を測る目的があり、個々の「自費推進力」が回答に現れてきます。
職位によって開示しないデータもあると思いますが、内部情報の共有は帰属意識に大きく寄与するため、 開示しないのではなく、調整しながら共有することが大切だと我々は考えています。その際、「今月の売上は〇〇です」と結果だけ伝えても効果がありません(無駄に不安を煽るリスクも生じます)。PDCAのPLANのタイミングから参加していただき、“自分ごと”の意識を醸成していくことで、やらされ仕事の脱却ができます。
醸成すべきチームとしての連帯感
未来に焦点をあてた「フィードフォワード」のコミュニケーションも、活発な意見だしにつながり、自費診療の推進に大いに役立ちます。
ミュゼが対外的に評価いただいている「サービスクオリティ(接客・接遇)」の基盤は、 現場スタッフが積み上げてきたフィードフォワードの文化だと私は感じています。サロン内ではお客さまに相対することはもちろん、本部からおりてくる新しいキャンペーンを理解し、すぐさま提案できるレベルに落とし込まなければなりません。ハードワークが続くほど「何のためだろう?」という疑問が浮かんできます。その度にチームで有意味感を考え、内発的な動機付けによって乗り越える、そういった流れを習慣化していきます。
院内マネジメントにおける「理念浸透」と同様に、目指す先は医院全体がチームとなる風土です。まずはコミュニケーションに注力し、“自分ごと化”からスタートしてみてください。
コミュニケーション度合を測るチェック表を準備しましたので、どの階層に課題があるかチェックしてみましょう。
自身の思い込みバイアスとのギャップを確認してみるためにも、冒頭にあった「自費診療についての質問」を、実際にスタッフ一人ひとりにヒアリングしてみることをおすすめします。
プロフェッショナルとしての義務
院内の風土が整えば、あとは個々の「や○気スイッチ」を押せるかどうかです。「患者さまへ提案することが得意です! まかせてください」と宣言できる方は多くないでしょう。「押し売りに見えるかな?」「嫌がられるかな?」「来なくなってしまうかな?」など、 消費者心理を深く読み取ろうとするあまり、能動的に動けなくなっていることが推測されます。サービス上「治療」がベースになる点から、自費を推奨する営業感に、違和感を感じてしまうわけです。
でもこの悩み、論点が少しずれてしまっているのをご存じでしょうか? 患者さまのインサイトは「治療してほしい」ではなく、「この悩みからの解放、願わくば晴やかな気持ちにしてほしい」という提案を待っている状態だということです。
医療分野でいえば「先進医療」を思い浮かべてください。公的医療保険外となり高額の治療費が必要となりますが、治療費の価格云々で、医師の方は提案を取りやめるでしょうか? 提案の前提にあるのはその手段に価値があると医師が判断しているかどうかです。
つまり我々のミッションは、「患者さまにとって最良の提案をするプレゼンターを務めること」になります。説得が目的ではなく、 「有用な情報を提供すること」がGOALです。 最終的な判断は患者さまの価値観によって決まるものであり、どちらの選択に至っても気に病むことはありません!
選択肢が広がるのは、患者さまにとってメリットでしかないということをあらためて認識してみてください。
ご存じの通り、信頼関係が構築されていれば、提案に対しての返答も大きく変化してきます。 スタッフ間と同様に、患者さまとの関係値作りにも注力し、常日頃からロイヤルティをあげておくことが必要です。「〇〇さんがおっしゃるなら、それにします」という形は理想ですよね!我々事務局もサポートさせていただきますので、お困りのことがあればいつでもご相談ください。 |